フィールドワークを開催しました。

「風の谷あしがら」のメンバーが互いの現場に行って学び合うフィールドワーク。
その第一弾を5月22日(土)、大井町(神奈川県)の小宮真一郎さん(農業分野)のフィールドで開催しました。

今回参加したのは、あしがら地域に住むメンバー12人。当日は晴天に恵まれ、海まで見渡せる気持ちのいい高台に集い、座学からスタートしました。

案内人である小宮さんは、昨年まで年間4,000人ほどの観光客が集まる観光農園を経営されていました。

ある時、小宮さんはその農園が地域の大切な水源の上に位置することを知り、その水源を守るための活動ができないかを模索するようになったと言います。そして2020年、ついに観光農園の閉園を決断。小宮さんは、水源と土地を再生する活動へと方向転換し、環境の大切さを地域の子どもたちに伝える取り組みを始めました。

太古より引き継がれてきた水源

今回訪問した大井町山田地域は、2,400年ほど前から人が住み、稲作を続けてきた豊かな地だそうです。

「水源」とは元来、その地域で人が生きていくのに欠かせない「命の源」だったことや、神社や鎮守の杜を中心に、地域全体で水源を守る仕組みが脈々と受け継がれてきていたこと、今ではどの水源も大幅に水量が減ってしまっていることなどを、古地図と今とを比較しながら説明いただいた後、実際に水源地を見に行きました。

私たちが実際に見た「水源」は、竹の根が張る山の斜面から水がにじみ出ているものでした。

ちょろちょろとかすかな音を立てて水が流れる地面の葉っぱには、小さなタニシのような貝がびっしり。それは、清流に住むホタルのエサにもなるカワニナでした。絶えず水が流れている証拠であり、かつてのここはどんなに豊かに水が流れていたのだろうと想像させられる風景を目にすることができました。

小宮さんはこれから、土地に育っていたシイやタブなどの木を植えるなどして、地中環境を改善し、水源の再生を目指して活動をされていきます。そして、太古からつながれてきたこの土地の豊かさを、遠い未来につなげていくことをミッションに、小宮さんの挑戦が始まります。

それぞれの地域に改めて目を向ける

小宮さんは参加者に、「それぞれの地域の大切なことに目を向けてみてほしい」と訴えられました。

というのも、小宮さん自身がこの水源問題に気付いたのが3年前のことで、そこから過去を紐解き、学び、ミッションを見つけてスタートラインに立ったからです。

参加者それぞれの地域にも同じように、忘れられている大切なことがあるかもしれません。その発見から生まれるそれぞれの実践が、あしがら地域全体でつながった時、「風の谷あしがら」の取組みが目指すものが具体化する日になるのかもしれません。

編集後記

今回のフィールドワークでは、たくさんの気づきや思いをより多くの方と共有することで、それぞれの思いの熱量がより強くなったように感じています。これから第二弾、第三弾と続けながら、この取組みの輪を広げていけたらと思います。これからの取組みにどうぞご期待ください。

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